40年経った
今から40年前、中波放送の周波数が大きく変更されることになった。
11月23日から、これまでの10kHzから9kHzセパレーションに切り替えられた。
南北アメリカを除く全世界で実施された。BCLブーム真っただ中、ラジオ放送は今以上に元気だった。
40年後、ラジオ放送の聞き方は大きく変化した。ラジオそのもので聞くよりも、携帯端末などで聞く機会が多くなっている。
受信環境の悪化などもあり、ワイドFM放送も増加している。パソコンを使いながら、ラジオを聴くことも多くなった。
これに伴って一つだけ役に立たなくなったことがある。あの緊急地震速報である。
中波とワイドFMはアナログ放送のため遅れることなく速報を聴くことができる。
しかしこれ以外での速報は数秒遅れで受信するため役に立たない、地デジは1.6秒ほど、スマホに至っては4~5秒遅れなんて言うこともある。受信した時はすでに本震が来た後になってしまうことになる。
4Kだの8Kだのと高画質の技術進歩は著しいが、遅れの出ないデジタル技術は全く手が付けられていない。
短波放送健在なり
10月9日の産経WEBに「豪中止の太平洋向け短波、中国が占拠」と題するコラムが載っている。
R.Australiaが2017年1月に海外向け短波放送を中止、その空いた周波数を中国が占拠しているという内容である。
短波放送は今でも重要なメディアの一つであるということには間違いないだろう。しかし実際には短波放送を聞いている人は限られたごく一部のマニアだけかもしれない。こうしたことから短波放送から撤退する放送が後を絶たない。
この記事で、ABCの後の周波数を中国が占拠しているということが書かれているが、そうした事実は全くない。
中国の国内向け、海外向け放送の使用周波数はABCの放送中も中止後も全く変化はないからだ。オーストラリアが短波放送をやめ、短波帯を占めている中国局が目立つだけである。
目立つ要因はジャミングとして国内向け放送を使用していることもある。RTI、VOAやRFAの中国語放送に対しノイズジャミングではなく、国内向け放送をそのまま出している。
時間帯によっては正規の放送波よりもこのジャミング放送の周波数が多いこともある。まあ短波放送を聞かない人から見れば、中国が占拠しているということになるのだろう。
サマータイムをやる?
2年後のオリンピックを目指して、サマータイムを導入しようというまたおかしな話が出てきた。
何でも2時間早めるという話、自身で時間管理をしていないオリンピック関係者から出た話らしい。
欧米でやっているから日本でもというあきれた言い方らしい。サマータイムの何たるも全く知らず、地域差を無視した制度は誰も受け入れられない。
そんなにマラソンを早くスタートさせたければ、朝5時にすれば済むことである。そのために2時間もの差をつけ朝7時にする目的は何なのか。言い出しっぺは夏時間の意味が全くわかっていない。
それよりもオリンピックを10月開催にする努力をなぜしないのか、テレビの放映利権で決めた夏開催を見直すほうが先である。
エレベーター
名古屋城再建について、話題になっているのが、エレベーターをつけない方針に対し、障害者らが設置せよと陳情している。
時代感覚からすると言い分はごもっとも、一方で忠実に復元を目的するという趣旨からすれば、当然エレベーターのなかった時代のこと。
しかし抗議活動などを見ていると、障害者なら何でも許されるという態度も。バリアフリーが進み、公共施設の安全柵など半世紀前とは雲泥の差である。運賃も半額、付き添いも、医療費も、・・・あらゆる面において優遇されている。
日本各地に数多くある国宝を含む「お城」、エレベーターのついた城は大阪城、これは木造ではない、現名古屋城と同じである。、これまでいくつか見てきた中に、エレベーター付きの城はほとんどない。姫路城、彦根城、松本城など。
今は遠慮ということが通用しなくなったのかもしれない。