Hiroshi’s 3D diary

海外短波放送、3Dプリンターで作成したパズルの世界。記事中の時間はUTCです。

短波放送健在なり

10月9日の産経WEBに「豪中止の太平洋向け短波、中国が占拠」と題するコラムが載っている。
R.Australiaが2017年1月に海外向け短波放送を中止、その空いた周波数を中国が占拠しているという内容である。
短波放送は今でも重要なメディアの一つであるということには間違いないだろう。しかし実際には短波放送を聞いている人は限られたごく一部のマニアだけかもしれない。こうしたことから短波放送から撤退する放送が後を絶たない。

この記事で、ABCの後の周波数を中国が占拠しているということが書かれているが、そうした事実は全くない。
中国の国内向け、海外向け放送の使用周波数はABCの放送中も中止後も全く変化はないからだ。オーストラリアが短波放送をやめ、短波帯を占めている中国局が目立つだけである。
目立つ要因はジャミングとして国内向け放送を使用していることもある。RTI、VOAやRFAの中国語放送に対しノイズジャミングではなく、国内向け放送をそのまま出している。
時間帯によっては正規の放送波よりもこのジャミング放送の周波数が多いこともある。まあ短波放送を聞かない人から見れば、中国が占拠しているということになるのだろう。